桐生祥秀はなぜ速いのか!?3つの理由と9秒台への課題

15日にスウェーデンで行われた

イエーテボリGPにて、

 

10秒34(向かい風1.6m)の

タイムで4着となった

桐生祥秀選手

 

レースは後半以降、他選手に

追い抜かれる形となりつつも、

前半60mまではトップを走っていた。

 

向かい風のためタイムは

平凡なものとなってしまったが、

6月には自己ベストタイの10秒01

を叩き出しており、

 

全体的には調子の良さがうかがえる。

9秒台の期待が最高潮となる中、

体格的に不利であると言われる

日本人の桐生選手が、

 

なぜここまで速く走ることができるのか?

9秒台達成に向けた課題とは何か?

を検証してみました。

 桐生祥秀が速い理由①前半のスムーズな加速

桐生選手は、

まずスタートの反応も良く、

最近前半の加速にも磨きがかかり、

さらにスムーズになりました。

 

3月に米国の名門、

テキサス州ウェイコにある

ベイラー大学にて、

 

スタートの強化合宿を行い、

序盤の加速力が向上したとのこと。

 

その練習内容は、

スタートから最初の数歩を

逆ハの字(つま先を外側に向ける)

に踏み出し、

 

重心を低く保つことを目指す

ものだったそうです。

 

結果的にスタートから中盤までが改善され、

3年ぶりとなる10秒01を叩き出し、

 

9秒台へ一歩、ぐんと

近づいたわけですね。

 桐生祥秀が速い理由②下肢の発達と先天的な健の強さ

桐生祥秀

桐生選手は、パッと見では

他の選手との違いがよくわかりませんが、

 

よ~くみると、下肢が

他日本人選手と比べても

よく発達しています。

 

話は少し逸れますが、

そもそも、一般的に

黄色人種はアキレス腱が短く

フクラハギが長い。

 

そして黒色人種はアキレス腱が長く

フクラハギが短い。

 

私たちが走る時、

筋肉のパワーを健に伝え、

その腱がバネのような役割をして反発し、

推進力となります。

 

アキレス腱が長いという事は、

「バネが長い(大きい)」という事です。

そりゃあ黒人選手が速いわけです。

 

日本人はアキレス腱が短い分、

フクラハギが長く大きいです。

 

そのため、フクラハギの筋力

そのものは優れています

 

しかしながら、その大きなフクラハギも

腱ほどのバネは効かず

 

筋肉ですから

体内にあるエネルギー源の消耗も

腱に比べて膨大です。

 

腱は筋肉の様に自分から

エネルギーを使って

伸びたり縮んだりはしません

 

バネのように、筋肉から受けた力を

反発力に変えているだけに近いからです。

 

つまり、

動作時に腱が主体となる事で、

フクラハギの消耗を防ぐ事が

出来ています。

 

ケニアの長距離選手なんかを見ても、

アキレス腱がとても長いですし、

 

フルマラソン(42.195km)を

ほぼカカトを地面につけず

走り切る選手もいますから、

 

長いアキレス腱が走ることに

いかに優位であるかがわかります。

 

話をもとに戻しますが、

 

それなら桐生選手だって、

他の日本人選手と比べて、

アキレス腱の長さに

差はないじゃないか

 

と思われるかもしれません。

そこで少し強引かもしれませんが、

 

彼の腱は長くはないが、

とても頑丈なのではないか?

と推測しています。

 

腱は少しの太さの違いでも

その強度は段違いとなり、

 

その太さの違いは、

やはりパッとの見た目では

わかりませんからね。

 

脹脛

※桐生選手のフクラハギではありません。

 桐生祥秀が速い理由③負けず嫌いと勝負度胸

二度目の自己ベストタイ記録をマークし

「10秒01は、もうあきた」

 

関東学生対校選手権で圧勝し

「10秒35・・・カスイ・・・」

 

海外育成派遣時

「速い選手と練習したかった」など、

 

自身が国内の範疇に

収まる器ではない、

と言わしめんばかりの発言

そしています。

 

その負けん気と、

まだまだ自分は発展途上で

あるという揺るぎない自信もまた、

 

彼の持つ大きな武器の一つ

ではないでしょうか。

 

いくら実力があっても、

本番でこけちゃうようでは

やはり勝てません。

 

会場の空気、緊張感までも

自分の力に変えるには、

やはりメンタルは最重要項目の一つですね。

 

彼は、それを持っています!

では、彼はどこを改善すれば

9秒台で走ることが出来るのでしょうか?

 9秒台達成への課題

桐生選手は、スタートも強化され、

60mまでなら9秒台の選手にも

勝つことができます

 

つまり、問題は60m以降の後半なんです。

では後半の加速?伸び?

違います。

 

ほぼ全ての選手は、

40m辺りで最高スピードに到達し、

60mを過ぎるあたりから減速していく

と言われています。

 

つまり、

後半でいかに減速を最小限にするかが、

レースのカギでもあるわけです。

 

「じゃあ、桐生選手が後半に

9秒台の選手に追い抜かれてしまうのは、

大きく減速してしまっているから?」

 

とこう考えるのが正解

かもしれませんが、実際には、

 

むしろ黒人選手の減速率が著しく低いのだ

と考える方が妥当かもしれません。

 

前述したとおり、

アキレス腱が長くエネルギー効率が

段違いである事が、

 

その理由として考えられます。

 

桐生選手は、そうした絶対不利な

戦いをしているわけです。

 

つまり、霧生選手が9秒台を

達成するためには、

後半の減速幅を縮める事が、

一つの大きな課題ではないでしょうか。

 もう一つおまけに

風向風力計

あと一つ、必要なものが

あるとすればそれは、でしょう。

追い風が公式記録ギリギリの2.0m吹く事。

 

1.0m/sの風で

約0.1秒タイムが変わる

といわれています(正確には少しずれますが)。

 

追い風参考記録の9秒87

出した時の風速は、

追い風3.3m/sでした。

 

公式記録となる追い風は

2.0mまでなので、

1.3m分の0秒13を引きます。

 

9秒87を0秒13遅くして・・・

10秒00!!

ぬぬ・・・切れてないですね♪

 おわりに

上の追い風2m換算は

あくまでも概算です。

 

より精密な試算によると、

追い風2mでは9秒96になる、

という検証結果もあるそうです。

 

どちらにせよ、

10秒台と9秒台の瀬戸際に

いる事には違いありません。

 

それでも個人的には、

彼にはすでに9秒台を出す力が

備わっていると思います。

 

長い歴史の中、ついに日本人が

10秒の壁を破る時が

来たのだと思います。

 

彼の不敵な発言と、

陸上に真摯に取り組む姿勢をみると、

 

追い風だけではない何かが、

彼の背中を押すのではないか。

そう思えて仕方がないのです。

 

これを執筆しながら、

桐生選手が9秒台を叩き出す光景が

目に浮かんでくるような、

そんな気持ちになっています。

 

人に、何かすごいことが起こりそうな、

そんな予感をさせる力が

彼にはあるのかもしれません。

 

桐生祥秀選手の歴史的快挙に期待しましょう!

それでは、最後まで読んでいただき

ありがとうございました。

           

記事がお役に立てましたら、シェアをお願いします☆

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

夜な夜なナヌーという名で執筆してます。本業は夜勤がキツくなってきたアラフォー看護師です。よろしかったら他の記事もみてやってください。